Euclidを購入して3ヶ月くらい経った頃だろうか。
ある日Jiraudに行って福田さんに楽器を見せると、驚いた顔でこう言われた。
「蓮池くん、ピックアップのポールピースが錆びてるじゃん。ピックアップのネジも、あ、ブリッジも!!」
そう。
買って3ヶ月ほどしか経っていないEuclidを、早くも錆びさせてしまったのである。
手汗の多いベーシスト
僕は昔から手汗が多い。
今ではELIXIRのコーティング弦を使っているので、弦交換をする頻度は減ったが、コーティングされていない弦を使っている時は、ツアーに行くと2ライブに1回は必ず交換していたし、リハーサルで長時間弾いていると、ブリッジやピックアップ周辺まで汗が付いてしまうなんていうのは日常茶飯事だった。
とはいえ、当時19歳の僕は楽器のメンテナンスについてほとんど知識がなかった。
「なんか錆びてきたな〜」
くらいには思っていたが、そこまで深刻に考えていなかった。
しかし、福田さんからするとそうではなかったようだ。
「買って3ヶ月でこれはひどいよ。ちゃんと楽器拭いてるの?」
「……はい」
「手汗ひどい人?」
「はい。」
「うーん、錆びるとネジ回らなくなるし、ピックアップにもよくないよ」
なるほど。
確かに錆びてしまえば、いざ調整しようと思ったときにネジが回らなくなってしまう。
そこで聞いてみた。
「手汗がひどい場合ってどうしたらいいんですかね?」
すると福田さんはこう答えた。
「うーん、塩分控えるとか?」
……
すごい根本的なこと言われた!!!
と思ったが、19歳の僕はがんばって飲み込んだ(笑)
椿オイルを使った手入れを教えてもらう
もちろん、塩分を控えるという話だけで終わったわけではない。
「なんにしろ、ちゃんと手入れをしないとダメだよ。」
そう言って福田さんは、金ブラシで椿オイルを塗る方法を教えてくれた。
「まず、錆がひどい場合は錆び取り剤っていうのが売っているから、それをつけて錆を拭き取る。しっかり拭き取ったら金ブラシに椿オイルをつけて、金属部分に塗ること。金ブラシだとネジの溝にも塗ることができるからね。」
お店を出たその足で、道具類を買いに行った。

それからというものお手入れをするようになったのだが、もう一つ別の問題が発生した。
Jiraudに行くのが怖い(笑)
「また錆びてるって言われるんじゃないか……」
そんなことを気にするようになり、Jiraudへ行く前日には恐る恐る楽器の金属部分を手入れした。
前日のお手入れを忘れた日は、ケースに入れていたお手入れセット簡易版を取り出し、お店手前にある歩道橋の下で椿オイルを塗った。
今思えば、ちゃんと手入れをするためというより、福田さんに怒られないように錆を隠していたような気もする(笑)。
お手入れをさぼった末路
ちなみにお手入れに関しては、ジャックがガリってる場合の対処法、フレットについた緑青(ろくしょう)の取り方など、様々なことを教わった。
が、元来めんどくさがりな僕は、致命的な問題がない限り、だんだんお手入れをサボるようになっていった。
そして、錆が再び問題になる日が来る。
Euclidを長く使っているうちにブリッジの錆はさらに進行し、最終的にはネジが回らなくなってしまうのだ。
そして、EuclidにHipshotのDチューナーを取り付けることになった際、このブリッジも交換することになった。
福田さんは笑っていたが、改めて楽器は大切に扱わなきゃなぁと感じた。
Euclidには、演奏してきた時間だけでなく、こうした失敗の跡もたくさん残っている。
あ、最近は、年齢的に塩分を控えるようになりました(笑)
追伸・note始めました
Euclidを10年近くメインベースとして使ってきて感じたことや、Slap Mode、楽器の「鳴り」が変わった瞬間、レコーディングでのエピソードなどについて、noteの「僕とベース。これまで使ってきた楽器を振り返る Part2」で詳しく書きました。
19歳で30万円弱のローンを組んで手に入れたEuclidが、その後どんなベースになっていったのか。
興味がある方は、ぜひそちらも読んでいただけたら幸いです。




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