Jiraud(ジラウド)との出会いを振り返る 7|「蓮池くんならいいか」から始まったJBass5

Bass

今回は、現在もメインベースとして使っている「JBass5hb蓮池Custom」を作ってもらった話を書いてみたい。

実は、書こう書こうと思っていたのだが、思い出がありすぎて正直何を焦点に書くか迷っていた。

しかし、最近noteを始めたことで、自分の楽器について改めて文章にするようになった。

noteでは楽器そのものの仕様や使用感を中心に書いているので、hasubass.comでは、JBass5を通して思い出す福田さんとのエピソードを振り返ってみたい。

このベースを手に入れたのは2007年。

もう20年近く前の話だ。

noteバナー

オーダーした5弦を、なかなか作ってくれなかった

5弦ベースはもともと欲しかった。

実は、Euclidを購入するときも検討していたが、全然弾けなかったので、4弦のEuclidを購入した。

そして、Jiraudに通う中で、5弦のJBass5に憧れを持つようになる。

しかし、JBass5はすでに売り切れていたし、今後も作る予定はないとのことだった。

そんな中、2005年か2006年頃だったと思う。

福田さんが新しいベースを作っていた。

フェンダー系のボディシェイプで、ボディ中央には女性のシルエットのようにも見える黒っぽい木材がはめ込まれているものだった。

「これかっこいいですね。この5弦が欲しいです。」

と伝えた。

すると、受注生産になるが作れるという。

高い買い物になるので少し考えたが、結局オーダーすることにした。

そして、色について相談すると、福田さんが絵を描き始めた。

「外側を黒のサンバーストにすると、グラデーションが綺麗につくと思うからやってみたいんだよね。」

というようなことを説明してくれたので、

「それにします!」

とお願いした。

※このとき福田さんが話していたデザインや塗装のアイデアは、のちのBlack Cloudへとつながっていくことになる。

ところが、待てど暮らせど作ってくれない(笑)

意を決してオーダーしたのに、一向に製作が始まらないのだ。

いい材が手に入らなかったのか、単純に忙しかったからなのか、今となっては定かではない。

とはいえ、こちらもイレギュラーな楽器をお願いしている手前、あまり急かすのも悪いような気がして、

「福田さん、ベースの製作は進みそうですか?」

と、たまに聞く程度だった。

そんな状態が、おそらく1年くらい続いた。

「蓮池くんならいいか」の一言

そんなある日、いつものようにJiraudへ行った。

店内を見ると、見慣れないベースが置いてある。

よく見るとJBass5だった。

ゴールドのボディに、フロントとリアにはEMGが一基ずつ載っていた。

「これなんですか?」

と聞いた。

すると福田さんは、

「昔JBass5を作るとき、実験機として作ったんだよね。それが倉庫から出てきたんだよ。」

と言った。

ずっと欲しかったJBass5である。

試奏させてもらい、そして、

「福田さん、これ売ってもらえませんか?」

と聞いた。

最初は、

「うーん、どうしようかな。」

というような反応だった。

それでもお願いしていると、

「蓮池くんならいいか。」

と言ってくれた。

こうして、一年近く待っていたオーダーベースはキャンセルして、倉庫から突然出てきたJBass5を譲ってもらうことになったのだ。

JBass5を「蓮池Custom」に

もちろん、そのまま使ったわけではない。

自分が使いたい仕様へ変更してもらうことにしたのだ。

細かな仕様や実際に使った感想についてはnoteの「僕とベース」シリーズに書いているので、ここでは割愛する。

ただ、製作途中のことで覚えていることがある。

ピックアップはEMGからJiraudのハムバッカーへ変更してもらったのだが、そのピックアップカバーは福田さんの手作りだった。

途中経過を見にJiraudへ行ったとき、

「削るのが大変だったよ。」

と笑っていた。

このカバーを見ると、そのときの福田さんを思い出す。

さらに、個人的に嬉しい出来事があった。

当時のJiraudのWebサイトには、製作予定の楽器も掲載されていたのだが、そこに、

「Jbass5 Hasuike Custom」

と載っていたのだ。

自分の名前が付いたベースがJiraudのWebサイトに載っている!

単純にテンションが上がった。

フルチューンをオーダー

カスタムの内容を相談している中で、

「仕様はフルチューンでお願いします。」

と伝えた。

フルチューンとは、オリジナルプリアンプに加え、ピックアップ直下にアクセラレーターを搭載するJiraud自慢の仕様だ。

「Euclidを長年使ってくれた蓮池くんがフルチューンをオーダーしてくれるなんて嬉しいね。」

そう言ってくれた。

そして、もう一つお願いした仕様があった。

電池やアクティブ回路に何かあったときでも音を出せるよう、完全パッシブへの切り替えスイッチを付けてほしい。

いわゆるパニックスイッチのオーダーだった。

なぜなら、以前EuclidのJFDTから煙が出て、音が出なくなった経験があったからだ。

そして、福田さんからOKをもらった。

これで安心だと思っていた。

電池を抜いたら音が出なかった(笑)

完成したJBass5を持って帰り、家で完全パッシブを試してみることにした。

電池を抜く。

スイッチを切り替える。

弾く。

……。

あれ?

音が出ない。

何度やっても出ない。

どうやらお願いしていた完全パッシブへの切り替えではなく、MöbiusのON/OFFになっていたのだ。

おい!福田さん!!

そう思い、後日JBass5をJiraudへ持っていった。

「電池を抜いてパッシブに切り替えたら、音が出ないんですけど……」

と伝えたら、福田さんは、

「え?」

と言っていた(笑)

その後の会話はちょっと覚えていないのだが、結局そのときパニックスイッチにはしてもらえなかった。

もちろん今では笑い話であるし、僕も適当なところがあるので、結局そのままの状態で時が過ぎた。

しかし後年、やはりパニックスイッチが必要だと思う出来事が起きた。

ただ、その願いは叶うことがなかった。

佐賀で配線が外れた

2019年の5月頃だったと思う。

ツアーで佐賀へ行ったときのことだ。

本番を前に、JBass5の電池を交換しようとした。

すると、

電池ソケットの配線が取れた。

これはまずい。

ツアー先である。

しかもライブをしなければならない。

僕はパニックになってJiraudに電話をした。

出ない。

Facebookは繋がっていたので、メッセンジャーを使って直接電話もしてみた。

出ない。

どうしよう。

結局、自分ではんだ付けをしてみることにした。

落ち着いて配線をつなぎ直す。

無事音が出て、なんとかその日のライブを終えることができた。

福田さんとの最後の会話

ライブは無事乗り切れたが、自分ではんだ付けしただけなので、一度きちんと見てもらいたかった。

そして、今度はパニックスイッチをちゃんとお願いしようと思っていた。

そこで、後日Jiraudへ向かったが、お店が閉まっている。

扉付近をみると「不在時にはこの番号に電話してください」というような案内が貼ってあった。

とりあえず、そこに書かれていた番号へ電話してみると、福田さんが出た。

まずは、佐賀で突然電話してしまったことを謝り、ライブは無事に終えられたことを伝えた。

そして、

「一度、ベースを見てもらえませんか?」

とお願いした。

しかし、しばらくは難しいという。

福田さんが体調を崩していたことは知っていた。

電話越しの声も、以前より細く感じた。

ただ、少し前までお店に出られていたこともあり、このときはまた改めてお願いできるだろうと思っていた。

福田さんは電話の切り際に、

「蓮池くんごめんね、ごめんね。」

と言った。

それが、福田さんと交わした最後の言葉になった。

思い出溢れるメインベース

JBass5hb蓮池Custom

JBass5hbを手に入れてから、もう20年近くになる。

その間、楽器の仕様も変わった。

自分の弾き方も変わった。

一時期は別のベースをメインにしていたこともある。

それでも現在、仕事で一番使っているのはこのJBass5だ。

このベースを見ると、いろいろなことを思い出す。

ピックアップカバーを見れば、

「削るのが大変だったよ」

と笑っていた福田さんを思い出す。

スイッチを見れば、

「これ、お願いしたのにやってくれなかったんだよな。」

と思う。

そして、

「蓮池くんならいいか。」

と言って譲ってくれた日のことも思い出す。

あれから自分なりに楽器のセッティングを変え、弾き方もずいぶん変わった。

福田さんにこの楽器を見せたら、何と言うだろう。

そんなふうに思いつつ、今もJBass5を持って現場に行っている。

JBass5hb蓮池Customについて、noteでも執筆しています。

今回は、JBass5hbを通して思い出す福田さんとのエピソードを中心に書きました。

このベースがどんな仕様なのか、なぜ5弦が必要だったのか、実際に20年近く使って感じている良いところや難しいところについては、noteの「僕とベース」シリーズで詳しく紹介しています。

BLU-SWINGのデビューアルバムレコーディングで、手に入れたばかりのJBass5hbを使った話や、最初に弾いた一音がLow Dだった思い出、さらに近年、念願のパニックスイッチをつけた話など、このブログとは違う切り口で書いています。

興味がありましたら、ぜひ読んでみてください!

そして、フォローもぜひよろしくお願いします!!

noteバナー

蓮池 真治

ベーシストの蓮池真治です。 このホームページは大好きな音楽のこと、ベースのこと、趣味など「今の自分」を発信していけるプラットフォームにしたいと思い、立ち上げました。ブログ中心のサイトになりますので、お時間のある時にごゆるりとお楽しみください♪

関連記事

おすすめ記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

蓮池 真治

ベーシストの蓮池真治です。 このホームページは大好きな音楽のこと、ベースのこと、趣味など「今の自分」を発信していけるプラットフォームにしたいと思い、立ち上げました。ブログ中心のサイトになりますので、お時間のある時にごゆるりとお楽しみください♪

note始めました。
noteバナー ベーシストとしての経験や、これまで使ってきた楽器にまつわるエピソードなどをnoteで綴っています。ぜひご覧ください。
ぬか漬け男子.com
趣味でぬか漬けを楽しんでいる蓮池真治。なんと「ぬか漬け男子.com」というミニサイトも運営しております!ぬか漬けに興味のある方は是非ご覧ください♪
最近の記事
  1. Jiraud(ジラウド)との出会いを振り返る 7|「蓮池くんならいいか」から始まったJBass5

  2. Jiraud(ジラウド)との出会いを振り返る 6|買って3ヶ月でEuclidを錆びさせた話

  3. コンビニ顔負け!蓮池流サラダチキンの作り方

TOP
CLOSE