<このブログを連載するにあたって>
僕は約10年前から吹奏楽部でエレキベースを教えています。
指導に携わる前は、吹奏楽とあまり縁のない演奏活動をしていたので、最初はどのように教えたらいいか迷うことも多かったのですが、ここ数年ではエレキベースだけでなく、リズミカルなアプローチのある曲などのバスパート指導もお手伝いするようになりました。
さて、春先に出会い、そこから約2年半成長していく姿を見せてくれる子供たちに毎度感動させられるのですが、どの生徒も多にして同じ壁にぶち当たっている姿を目にしてきました。
それは、コントラバスの奏法をそのままエレキベースに当てはめて演奏することから生まれる壁です。
特に吹奏楽部ではコントラバスを弾くことがメインになりますのでこれは必然的な流れだと思いますが、結論から言うと僕は、
エレキベースとコントラバスは違う楽器なので、違うアプローチで演奏すべき
だと思っています。
というより、僕自身エレキベースとコントラバスの二刀流ベーシストなのですが、2つの楽器を持ち変える際は、別の脳を使うイメージで演奏しているのです。
そして、2つの楽器を弾く脳を切り替えられるようになると「エレキベースでコントラバスのようなアプローチ」や「コントラバスをエレキベースっぽく弾く」などもできるようになり、演奏の幅がグンと広がります。
ということで僕自身の経験、指導しているときに感じたことを踏まえながら、
「吹奏楽におけるエレキベース入門」
を連載していきたいと思います。
「吹奏楽における」と銘打ったのは、コントラバスを弾きながらエレキベースも担当する吹奏楽特有の状況に合わせたエレキベースの教則本があまりないのと、指導する経験の中で、この2つの楽器の違いを理解し早い段階から別の楽器として練習を重ねる方が上達の近道だと思ったからです。
もちろん似ている部分もある楽器ですので、
「こういう時は同じ考え方でも大丈夫!」
というのも合わせて伝えられたらなと思っています。
そして、エレキベースの弾き方で悩んでいる吹奏楽部のみなさんの手助けになると嬉しいです!
コントラバスとエレキベースはご先祖様が違う?
さて、コントラバスとエレキベースの違いって一体なんでしょうか。ほぼ同じ音域を演奏する楽器ではありますが、実はご先祖様は違う楽器だって知っていますか?
コントラバスはビオラ・ダ・ガンバという楽器がご先祖様だといわれています(※諸説あり)。
ビオラ・ダ・ガンバというのは、16世紀から18世紀にヨーロッパで用いられた楽器。
チェロくらいの大きさで、コントラバスと同様にアルコ(弓)を使って演奏されます。簡単に言うとバイオリンなどに近い存在で、弦をこすって音を出す擦弦楽器(さつげんがっき)で、フレットのようなものがついているのも特徴の一つ。
対してエレキベースはリュートという楽器がご先祖様。
弦をはじいて音を出す撥弦楽器(はつげんがっき)という種類になるんですね。リュートの流れからからギターが生まれ、1951年にレオ・フェンダーという人が、電気を使って音を出すエレキベースを開発。因みに正式な名前は「エレクトリック・ベースギター」といいます。そう、エレキベースはどちらかというとギターの仲間なんですね。

ご先祖様が違うって知らなかったな!
パーツの名前の違い
では、それぞれの楽器のパーツの名前を見てみましょう!
ブリッヂとテールピースなど、同じような役割を持っている部分でも呼び方が違うものもあるんですね。
「覚えるのがめんどくさい…」と思うかもしれませんが、パーツの名前を覚えるのは実は大切なこと。
講師の先生とのレッスンではパーツの名前が出てくることもあるので、毎回1から名前を教えてもらうのは時間がもったいないですし、楽器に不具合があった場合、修理してくれる人にどの部分がおかしいのか伝えられません。
初めはちょっと大変かもしれませんが、名前を覚えてもらえると楽器も喜んでくれますよ!
違いをもっと細かく見てみよう
ではもう少し細かく違いを見ていきましょう。
1.大きさの違い
まずは見た目の部分から。単純に大きさが違いますね!コントラバスは大人1人分の大きさがあるのに対して、エレキベースは足の長さくらいの楽器です。
2.縦に構えるか横に構えるか
コントラバスは楽器を縦に構えて演奏しますが、エレキベースは横に構えて演奏します。
3.フレットの有無
エレキベースには弦を押さえる部分(指板)にフレットという金属の棒が付いています。対してコントラバスにはそのようなものがありません。
4.何を使って音を出すか
コントラバスは主にアルコ(弓)を使って演奏しますが、エレクトリックベースはピチカート(指)をメインに演奏する楽器です。
5.生音か電気で増幅させた音か
コントラバスはその大きなボディーを響かせながら生音で演奏する楽器です。対してエレキベースはピックアップと呼ばれるマイクのようなものを通すことで音を電気で増幅させ、アンプを鳴らしながら演奏する楽器になります。
(※コントラバスにピックアップをつけて音を増幅させることもありますが、ここではコントラバスは生音、エレキベースは電気で増幅させた音だと思ってくれて問題ありません。)
いかがですか?エレキベースとコントラバスは全然違う楽器に思えませんか?
さて、次回はエレキベースの種類と演奏に必要なものをご紹介したいと思います!

次回もお楽しみに!